office氏タイーホ(1)

珍しく前回の更新からあまり間を空けずに新しい記事を書く気になった。なにせ前回の記事を書くきっかけとなったT氏から「何でオレにわかるネタ書かへんのや!いてもうたろか、ワレ!」と怒られたので(若干誇張)、恐縮しつつ今回はT氏ご所望の「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」レビューを書こう… と思ったら、書かざるを得ないネタが出てしまった。ここではレビューネタを中心にして、以前のようなニュースツッコミ日記はなるべくやらないつもりでいたのだが、この事件ばかりは取り上げないわけにいかん。てなわけでレビューは次回。

実を言えば、私の職業上の立場からすれば、このニュースについてここでこっそり書くってのもあまり褒められた話じゃない気がしなくもない。しかし別に守秘義務に違反したり会社の不利益になったりモラルに反することは述べないつもりなので勘弁してください。まあ、以下で書くような話のほとんどは、私のようなセキュリティ業界のごく端っこに引っかかってる程度のヤツでさえ知ってるようなもんだし、そうでなくてもネットでちょっと調べりゃわかるネタなんで、別に心配するほどでもないか。


さて、昨日の昼頃から結構大きく報道されている「京都大学研究員が不正アクセス禁止法で逮捕」という事件。一般ニュースでは「ハッカーが悪いことやって個人情報を盗んだ」というようなニュアンスで報じられているし、コンピューターと縁のない人はたぶんそう捉えるだろう。まあそれが全面的に間違いとは言えないものの、ある程度知識のある人間にとっては、ちょっとそれはどうよ、と思える部分も多々ある。そこで、私の視点からこの事件をまとめた上で、どのような問題があるのかを分析したい。もちろん私の知識なぞ屁のようなもんなのは間違いないので、以下の記述をあまり鵜呑みにはされぬよう… ま、そんな迂闊な人いないか。

・事件の経緯・発端
事件の表面的な発端は、昨年11月8日の深夜。渋谷の某クラブで開催されたセキュリティ関係者のイベント(大規模オフ会と言ってもいいかもしれない)「A.D.2003」でのことである。各種のセミナーやデモンストレーションが行われる中で、かねてよりさまざまなWebサイトの問題点(脆弱性)を指摘してきたことで名高い「office(河合一穂)」氏の講演も行われた。office氏はA.D.2003運営スタッフの一人でもあった。

そこでoffice氏は、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の、相談や情報を受け付けるサイト(著作権・プライバシー相談室 ASK ACCS)で用いられている投稿フォーム用CGIスクリプトに問題があると指摘。ある単純な手法を使うことにより、投稿フォームからASK ACCSへ相談などを送った人の名前・メールアドレス・投稿内容など、本来は部外者に閲覧されるべきでない個人情報1200人分が取得できてしまう、と発表し、その具体的な手法を公開した。

その講演で使用されたプレゼンテーション資料(PowerPointファイル)の中に、実際に情報を取得した際のWebブラウザーをキャプチャーした画像が含まれており、その画像には、4人分の個人情報がモザイク等の処理もされずにはっきりと表示されていた。そしてこのプレゼン資料は会場のファイルサーバー上に置かれ、しばらくの間A.D.2003参加者が誰でもダウンロードできる状態に置かれていたのである。

・事件の経緯・究明
講演直後office氏は、証拠として実際に取得した個人情報を添付した上、メールでACCSにこの問題を通知。翌9日にメールを受信したACCSは、それが間違いなくASK ACCSサイトから漏洩した個人情報であることを確認、ただちにサイトを閉鎖し問題の修正と原因の調査を開始した(12日に会見)。ACCSは以前よりネットでの著作権やプライバシー保護を強く訴えてきたが、こともあろうに自前のプライバシー相談を受け付けるサイトから個人情報が漏れてしまうという失態。ACCSは大きく面目を失うこととなった。

ただし、ごく普通のことだが、ASK ACCSサイトはACCS自身がサーバーを所有してWebページを管理しているわけではない。サーバーはホスティング会社「ファーストサーバ」からのレンタル、実際にサイトを作成し、運営しているのは「ヨセフアンドレオン」という会社である。問題となるCGIスクリプトは元々ファーストサーバから配布されたものであった。ヨセフアンドレオンは3年前からこのCGIスクリプトを使用してASK ACCSサイトを構築したのである。つまり、ASK ACCSの開設当初から3年の長きにわたってこの問題が存在していたことになる。

サーバーのアクセスログを調査した結果、外部から個人情報ファイルへのアクセスは4回あり、これはoffice氏によるものとが確認された(後にこれと矛盾する話が出てくるのだが…)。ただし、10月6日以前のログは残っておらず、開設時からこの時点までの間に、もし誰かが同じ問題点を発見して個人情報を取得していたとしても、それを知る方法はない。ACCSの報告をまとめるとだいたい以上のような話になる。

ところが、報告書に未だ出ていない怪しげな話が明らかになってくる。報告書を鵜呑みにすれば、単にファーストサーバが穴のあるスクリプトを配布してしまい、ヨセフアンドレオンはそれを知らず使っていた、ということになる。もちろん迂闊の誹りを免れない話だが、逆に言えば「迂闊」程度ですむことだ。しかしファーストサーバは昨年7月に、特に明確な理由を示すことなく新しいCGIスクリプトを配布し、ユーザーにそのスクリプトの使用を要請して旧スクリプトのサポートを停止したのである(新スクリプトでは当該問題は修正されているのだが、それも発表されず)。だが、ヨセフアンドレオンはASK ACCSサイトのスクリプトを更新せず、サイトを問題がある状態のまま放置していた。

ファーストサーバによるスクリプト更新は、問題点に気づいて修正したからではないのか?そうだとすれば、ユーザーに対して現行のスクリプトでは問題があると通知し、危険を回避するために新しいスクリプトを使用するよう強くユーザーに勧告すべきだったのではないか?そうすればヨハンアンドレオンもスクリプトを変更し、ASK ACCSの穴は塞がれ、今回の漏洩は未然に防がれたのではないか… だが、現在に至るもファーストサーバからは問題の発生についても経緯についてもいっさいの発表がない。ヨセフアンドレオンは… えーっと、なんだあのサイト(笑)。


…うわ、長くなりすぎた。事件の経緯の後半と、その分析はまた明日ということで。つづく。

**04/02/06 02;17修正:上記記事で「ヨセフアンドレオン」を「ヨハンアンドレオン」と誤記しておりましたので修正いたしました。誠に申し訳ありません。関係者一同にご迷惑をおかけしました…って、ここ見てる関係者はまずいないと思いますが。いやそれはともかく、頭ん中でいつの間にか「ヨハン」になってたんです、すみませんー。

参考
一般報道
CGIの欠陥突き情報引き出した京大研究員逮捕(朝日)
HPから個人情報を不正入手、京大研究員を逮捕(読売)
ACCSの個人情報流出で京大研究員を逮捕(毎日)
不正アクセスの京大研究員逮捕 イベントで手法公開(産経)

一般報道:続報
著作権協サイト、別の2人も京大研究員と同手法で侵入か(朝日)
ネット界も困惑? ACCS不正アクセス事件(毎日)

技術系報道
ACCS個人情報流出で京大研究員逮捕(ITmedia)
CGIの欠陥を突く不正アクセスで国立大学研究員逮捕(CNET Japan)
ACCSの個人情報漏えい問題、京大研究員を不正アクセス禁止法違反で逮捕(INTERNET Watch)

コミュニティ
【ネット】"文化庁長官の甥" 著作権保護団体HPに不正アクセス、京大研究員逮捕★2(2ちゃんねる・ニュース速報+)
OFFICE、タイーホさる!!(2ちゃんねる・セキュリティ)
ACCS事件でoffice氏逮捕(スラッシュドット)
セキュリティホールmemoメーリングリスト
セキュリティホールmemo
connect24メーリングリスト

当事者
Tea Room for Conference(office氏掲示板・閲覧のみ)
ACCS
ASK ACCS
ACCS運営ホームページのセキュリティ問題について
ACCS運営ホームページのセキュリティ問題について・続報
「ASKACCS個人情報流出事故調査委員会による『事故調査報告書』」
緊急のご報告
ファーストサーバ(ASK ACCSのサーバーを提供しているホスティング会社)
ヨセフアンドレオン(ASK ACCSサイトの運営会社)
office氏逮捕を受けたヨセフアンドレオンの声明…なんだ、この厨丸出しの文は…
A.D.200X

参考資料
不正アクセスの禁止等に関する法律(IPA)
不正アクセス禁止法逐条解説(東北大学)
刑法 威力業務妨害(金沢大学)

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一字違いで激しくつまらなさそうになるSF

いやー、またこのブ日記の存在を忘れ果てていたわい。もっとも、覚えていたとしても1月後半は死ぬほど忙しかったので書き込む暇もなかっただろうけど。しかし先日の土日は三週間ぶりの休日(奇数月後半はこれがデフォルト)だったので、ここの面倒も見てやればよかった… って、忘れてたんじゃどうにもならんが。ブ日記ネグレクト。

忘却の淵に沈んでいたこのブ日記を思い出したのは、昨日T氏とのチャットで話が出たから。ここのURLは一度某所に貼っただけで、たぶんここ見てるのはT氏だけと思われる。でもってチャットで「じゃあ明日何か更新します」と約束しちまったので早速更新。まあ仕事はヒマだしネタはいくらでもあるんですが。

で、T氏しか見ていないのがわかっているにもかかわらず、取り上げるのが2ちゃんねる+SFという、T氏にはまったく縁のないネタ。誠に私らしい(笑)。

2ちゃんねるのSF板で昨年末に立ち、SF板では珍しい速度で消費された下記のスレッドが結構楽しかったので紹介… といっても、SFを知らないと面白くも何ともない上、もうDAT落ち(有料会員でなければ読めない)しているのだが。

一字違いで激しくつまらなさそうになるSF
http://book.2ch.net/test/read.cgi/sf/1072710085/

スレタイ通り、SFのタイトルをちょいと弄って笑いを取る、というよくあるネタスレである。私が以前の日記にも書いた「あるいは牡蠣でいっぱいの海」→「あるいは牡蠣でいっぱいの鍋」みたいなヤツね(このネタもスレの初期で出てた)。なかなか面白いネタが多いが、後半グダグダになるのはこの手のネタスレの宿命か。まあ一応次スレも立っていてこれはまだ生きてる(1字ちがいで激しく“ナンセンス”なSF)が、ネタのレベルがだいぶん落ちてるし、既出ネタばかりなのであまりお薦めしない。

てなわけで、個人的に受けたネタを最初のスレから幾つかピックアップ。スレでは元タイトルを書かずに変更後タイトルだけ出しているが、無粋を承知でここでは原題と作者も付けておこう。

・三河パトロール隊 ←銀河パトロール隊(E.E.スミス)
・鼠と猫のゲーム ←鼠と竜のゲーム(コードウェイナー・スミス)
・歌う船頭 ←歌う船(アン・マキャフリィ)
・2001年宇部の旅 ←2001年宇宙の旅(アーサー・C.クラーク)
・俺の左手 ←闇の左手(アーシュラ・K.ル・グィン)
・スカイラーク3号店 ←スカイラーク3号(E.E.スミス)
・アインシュタイン0点 ←アインシュタイン交点(サミュエル・R.ディレイニー)
・徹夜明けのロボット ←夜明けのロボット(アイザック・アシモフ)
・人間井上 ←人間以上(シオドア・スタージョン)
・木材買います ←木星買います(アイザック・アシモフ)
・まだ人間じゃい ←まだ人間じゃない(P.K.ディック)
・鋼鉄朝市 ←鋼鉄都市(アイザック・アシモフ)
・ドウエル教授は首 ←ドウエル教授の首(アレクサンドル・ベリャーエフ)
・高松城の男 ←高い城の男(P.K.ディック)
・刺身の男 ←刺青の男(レイ・ブラッドベリ)
・地元のハイウェイ ←地獄のハイウェイ(ロジャー・ゼラズニィ)
・白河市民 ←銀河市民(R.A.ハインライン)
・体力が衰えるとき ←重力が衰えるとき(ジョージ・アレック・エフィンジャー)
・更年期の終わり ←幼年期の終わり(アーサー・C.クラーク)
・月は地球だ! ←月は地獄だ!(ジョン・W.キャンベルJr)
・アルジャーノンに花魁を ←アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)
・天のらくろ ←天のろくろ(アーシュラ・K.ル・グィン)
・敵は烏賊 ←敵は海賊(神林長平)
・残尿 ←残像(ジョン・ヴァーリィ)…で、いいんだよな?これ(笑)
・馬鹿亭綺譚、白痴亭綺譚 ←白鹿亭綺譚(アーサー・C.クラーク)
・スポンサーから一発 ←スポンサーから一言(フレドリック・ブラウン)
・小鬼の居留守 ←小鬼の居留地(クリフォード・D.シマック)
・グレたレンズマン ←グレーレンズマン(E.E.スミス)

結構あるな。しかし、このほとんどがスレの前半…いやむしろ序盤に書き込まれたネタだということからも、後半のグダグダさ加減がわかろうというものだ。やたらルールがどうこう言うヤツが出てくるんだよな、この手のスレは。

ネタ以外で、スレの中にあった見るべき発言は「『2』と一文字つけるとほぼ確実につまらなそうになる」って意見だな。例として挙げてたのが「夏への扉2」。おお、こりゃダメそう(笑)。とはいえ、人気のある作品はシリーズ化することが多いんで、実際にはかなり「2」や「3」があり、それが面白いことも結構多いんだが。「鋼鉄都市」には「はだかの太陽」、「エンダーのゲーム」には「死者の代弁者」、「ニューロマンサー」には「カウント・ゼロ」…は正直微妙(笑)。そういや「2」ネタと言えば、SF小説じゃないが「未来少年コナ(ry

もう一つ、上のネタを見てもわかるとおり、銀河→三河、白河とか宇宙→宇部とか高い→高松とか、地名にするとそれだけで脱力タイトルになる、って意見も納得。私もそのパターンでちと考えてみました。「豊後の城」(最後の城:ジャック・ヴァンス)「世界の合言葉は青森」(世界の合言葉は森:ル・グィン)「楽園の和泉」(楽園の泉:クラーク)「中野ステーション」(中継ステーション:シマック)「イシャーの武漢店」(イシャーの武器店:A.E.ヴァン・ヴォークト)…

地名パターンでなくてもいくらでも思いつくことは思いつくな。「オブザーバーのひがみ」(オブザーバーの鏡:エドガー・バンクボーン)「惰性化戦争」「慢性化戦争」(知性化戦争:デヴィッド・ブリン あ、地名ネタで「知床化戦争」もアリだな)「渚に毛」(渚にて:ネビル・シュート)「バケツ一杯の空元気」(バケツ一杯の空気:フリッツ・ライバー)「宇宙消防」「宇宙過失」(宇宙消失:グレッグ・イーガン)「スマン」(スラン:ヴァン・ヴォークト)…ただ、やはりネタ的にはイマイチだな。

しかしこういう無駄なことを考えるのは楽しい。SF小説に限らず、映画とかゲームとかのタイトルでもこの手の遊びは可能なので、暇をもてあましている方はやってみてはいかがでしょう… って、そんなに暇なのは今の俺くらいか(笑)。でも、これも意外と頭使うんよ。

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指輪物語…と言っても斉藤由貴の歌ではない

やれやれ、またこのブ日記の存在を忘れ果てていたわい。しかも年を越してしまった。あけましておめでとうございます。やっぱり、前回も書いたようにどうも更新意欲をそそられないんだよな、ここは。しかし今さらぐちゃぐちゃ言ってもしょうがないし(充分ぐちゃぐちゃ言ってる気もするが)、どうせ気の向いたときにしか書くつもりもなかったので今後もこんな調子で適当にやる予定。

てなわけで今回は映画のレビューでもしてみるかね。以前の日記では、なまじ本だの映画だのゲームだののコンテンツを独立させてしまったばっかりに、日記ではその手のネタを扱いづらくなってしまった。で、結局書いてたのは日記ばかりで、最後までそっちのコンテンツには手を付けられなかったという体たらくだったわけだが。しかしブ日記の場合にはネタの種類によらずダラダラと書けばいいので、逆にやりやすいかもしれない。では今回取り上げる映画は…

「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
…って、今どきこれかい。日本でも間もなく第三部「王の帰還」が公開されるというのに、遅すぎもエエとこやね。まあ、要はその前に第一部・第二部を見ておこうか、というわけだが。といっても劇場に見に行く気にもならんので、DVDのスペシャル・エクステンデッド・エディション(SEE)の発売待ちである。旅の仲間、二つの塔もSEEでの鑑賞。どちらも発売直後に購入はしたのだが、時間がなかったのとなるべく良い環境で視聴しようと思っていたので先日まで放置してあった。最近になってプロジェクター100インチ+5.1chを導入し、下手な映画館の隅っこで見るよりはずっとマシな環境を手に入れたため、やっとこご開帳と相成ったのである。

それにしても長い。劇場公開版も充分長かったようだが、なんせスペシャルにエクステンドされているのでさらに長い。二本合わせたら7時間半になろうかという代物で、「王の帰還」も入れたらおそらく11時間以上の大部になるのだろう。1時間ドラマ1クール(13回)より実時間は長いわけだ。もちろん、原作がクソ長いのでこれでもすべてのエピソードを網羅できているわけではない。

さて、肝腎の内容である。なにせ指輪物語といえば、過去のディズニーアニメ版のアレな記憶があるので正直あまり期待はしていなかった。ところがどっこい、予想以上に良くできてたわ。結論から言えば、指輪物語の映像化としては現状これ以上は望めないだろう。ホビットやドワーフ、エルフといった亜人類も違和感なく映像化しているし、ホビット庄からモルドールまでの中つ国の風景も、ニュージーランドロケ(たしか)を上手く生かして実在感充分である。また、各キャラクターのイメージに良く合った俳優が起用されているのも好感が持てる(まあこれは好みの問題なので異論があるかもしれないが)。特にレゴラス役はピッタリだな。ガラドリエル様もアニメ版とは比べものにならない(笑)。ただし、ナズグルの不気味さだけはアニメ版の勝ちだが。

ストーリーも可能な限り原作を追っている。もちろん上記のように割愛された部分もあり、特にレゴラスとギムリの掛け合いがほとんどないのは残念だ。とはいえ、この時間の中で指輪物語の世界を表現するためにはある程度やむを得ないレベルか。まあ、ストーリーについてそれより心配なのは、「王の帰還」でラストのアレが切られている(王が帰還してお終い)という話があるってことだが…

と、ここまではほぼベタ褒めに近い評価をしてきたが、これはあくまで原作を読んでいてそこそこ好き、という立場からの評である。正直言って、原作まったく知らない人が見たらけっこう退屈な映画じゃないですかね。特に「旅の仲間」は全般に派手さに欠けるし、わけわからん単語がごちゃごちゃ出てきて理解困難ではないかと。実は私も、「旅の仲間」は途中で寝ちゃったのよ。「二つの塔」では戦闘場面が増えて飽きにくくはなっているが、フロドとサム、メリーとピピン、ローハンと三つのストーリーが並行しているので、これまた知らない人にはややこしすぎるのではないか。要するに、あくまで原作ファンによる原作ファンのための映画、ということだ。

ただ原作ファンと言えば、公開前から現在に至るまで原作ファン連中の発言が実に鬱陶しい。アレは原作と違う、コレは雰囲気出てない、などと腐すファンはまだマシだ。やたらベタ褒めして他人に薦めまくったあげく、冗長だとかつまらないとか評されると「それは原作読んでないからだ、原作読め」とか言い出すヤツはアホとしか言いようがない。映画であれ小説であれ、他の情報を仕入れなきゃわからん、なんてことじゃ単独の作品として無意味だろうが。

また、最近「王の帰還」の予告編でネタバレ多数、などと騒いでいるファンもいるようだが、これもアホすぎる。こんなもんネタバレだと思うのは原作知ってる人間だけで、その連中には当然ネタバレもクソもない。知らない人は、映画見て初めて「ああ、ここは予告にあったとこやね」とか思うだけだ。だいたい、ミステリーでもあるまいし、ネタバレを恐れるようなストーリーか?粗筋だけ追ってったら陳腐な冒険ものじゃんか。いや、私も原作のラストにはちょっとびっくりしたが、前述のようにそれは切られているっぽいし。

しかし、原作ファンがいちばん鬱陶しく思えるのは映画のエンディングクレジットだな(笑)。指輪物語公式ファンクラブのメンバーとやらが、ずらずらと数分にわたって流されるのである。映画ファンには「エンディングクレジットも最後まで見るのが作品への敬意」とかいう人が多いが、そんな理屈が通用したのはスタッフロールがごく短かった昔の話。今のように山ほどのスタッフが全員名前を流すクレジットなぞ、一鑑賞者には苦痛でしかない。娯楽のために見てるのになんで苦痛に耐えにゃならんのだ。クレジットの後にオマケ映像入れたりして無理矢理見させようとするのはさらに悪質。そんな映画に敬意なぞいらんわな。でもってロード・オブ・ザ・リングのクレジットは、ファンクラブのメンバーのおかげで、一般のクソ長いクレジットのさらに倍くらいになってるんよ。ああ鬱陶しい。

おっと、話が逸れた。作品の話に戻そう。さらにこの映画の短所を挙げると…いや、短所とは言いづらい面もあるが、全般に映像が綺麗なぶん、CGにやや違和感を覚える。上述のように自然の風景を活かした場面は非常に印象に残るのだが、CGはどうも軽い。バルログやエントなんてハリーハウゼンにダイナメーションやらせた方がはるかに迫力あると思うぞ(笑)。ゴクリもどうもなー。デザインはともかく、なんか作り物臭さ芬々なのが興醒めだ。戦闘アルゴリズムを作って個々の動きを自動生成したことで知られているヘルム峡谷の戦いは、画面が暗いのでまだマシではあったが、やっぱり「だから何」レベルだし。

なお、劇場公開時に原作ファンの大不評を買った戸田奈津子の字幕だが、SEEではかなり修正されているかもだ。改善を?しかし気になったのは、なぜか「旅の仲間」では一度も「灰色のガンダルフ」という言葉が出てこなかったこと。英語で「ガンダルフ・ザ・グレイ」と言ってる場面でも字幕は「ガンダルフ」だけである。「二つの塔」で再登場するときにやっとこ「灰色」が出るのだが、知らん人はあれじゃ意味がわからんと思うぞ。

てなわけでこの二本の映画を採点。★五つを満点として、原作ファンならば★★★★★、必見。原作読んでない人は★★☆、まあ暇なら見れば、くらいか。原作嫌いなら見る必要なし。

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なぜ固定幅?

さて、以前やってたサイト(全手動駄文ジェネレーター)開始時と同様に、まったく何の脈絡もテーマも意気込みもなく突然ブ日記をはじめてしまったわけだが、前と大きく違うのは更新の意志だろうな。前のサイトの開設当初は日記を書くこと自体が楽しくガリガリと書きまくっていたというのに、こちらはオープン翌日にはもう存在を忘れてた(笑)。

その最大の原因が、Web日記に飽きたことであるのは間違いない。しかし、それを置いてもどうもこのブ日記は更新意欲をそそられないんだよな。まず何が気に入らないかって、テキストの横幅が固定だということだ。記事を書いていた時点では当然気づかなかったが、投稿後にサイトを見てみてると、なんか激しく間抜け。私のディスプレイはUXGA(1600×1200)なんで、テキスト表示部分は画面幅の4分の1くらいにしかならず、ブラウザーの両側真っ白け。マヌー。さらに私の文章はやたら長いんで(褒められたこっちゃないが)、鰻の寝床のようになって読みづらくなってしまう。横幅を可能な限り広く取って、一画面の情報量を多くする方が望ましいわな。

おそらく、VGA環境の人でも読めるように配慮した、と言いたいのだろうが(いつも出入りしている某所でここのURLを公開すれば、ドリキャスで見てくれる人もいるだろうし)、そんなもんブラウザーの自動改行に任せりゃ何の問題もあるまいに。そうすればそれぞれの環境で最適に表示されるんだから。固定幅にすることの利点は、縦読み仕込むくらいしか思いつかんよ。

ま、なんのかんの言いながら一応こうやって書いてるわけですけどね。

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ブ日記開始

なんか知らんがniftyから「月250円会員でもblogサービス使えるんでやってみそ?」というメールが。はるか昔のフォーラム全盛時からniftyユーザーだった私だが、インターネットが主流となるにつれほとんど利用しなくなり、一応メールアカウントを維持するために最安値コースで契約は継続していた。もっとも、最近ではniftyメールもほとんど使用してない(ここに登録したアドレスも余所のもんである)けど。

そんなわけであってもなくても良いようなニフアカウントだったが、せっかくだから赤の… もとい、blogを登録してみることにした。どうせ料金変わらんし。しかし、以前のサイト(今年5月で閉鎖)で書いてた日記では、ブログについてボロクソ言ったっけ(笑)。ZDNetの記事でblogが取り上げられた時の話だが… あ、探したらあった。2002年2月6日、1年10ヵ月も前の話だ。

件の記事は翻訳もので(現在は消えてるようだ)、アメリカでWeblog、略してblogと呼ばれるWeb日記が流行り始めている、というような内容。それに対して私は「日記ページなんて個人サイト黎明期からポピュラーなコンテンツだと思うが。アメリカじゃ珍しかったのか?」と感想を述べたもんである。もちろん、その記事だけではただの日記としか思えなかったblogも、その後情報がいろいろ出てくるにつれ、ただ単純に日記を指しているわけではないことはわかった。例えば個々の記事に対してコメントできることや、トラックバックといった特徴があるものがblog、ってわけだ。

とはいえ、今でもblogの精確な定義はよーわからんし、上記のような特徴を持っていたところで、特に画期的な代物だったとも思えない。トラックバックなんて、読む側にとってはうざったい場合の方が多いし。やっぱり、今までごく普通に「日記」と言うてたのを格好つけて「blog」と呼んでるだけ、って理解で良いと思います、間違いなく。ま、「サイコドクターあばれ旅」で風野氏が提唱されていた「ブ日記」って呼び名の方が実情に近いだろうな。

ともあれ、まったく何の脈絡もなくいきなりブ日記を始めてしまった。まあ以前のサイトと同様駄文を書き連ねていくつもりだ。しかし、あくまで一時的なサイトのつもりなのでいつ閉鎖するかわからないが、とりあえずよろしく。

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